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TRIOのチューナーKT-3100の、モノラルモードなら受信できるが、ステレオモードで受信できない不具合の件。
チューナーの回路図がないので、マルチプレクサーICのHA1156のデータシートを頼りに、原因を探ります。
検波された信号は2SC945 のエミッターフォロワー回路を経て、ICに入力されます。
信号はモノでもステレオでもC945(写真1 ICの右下の石)のコレクタまで来ています。
モノではエミッターに出力されますが、ステレオモードではまったく出力されません。
C945の不良を疑い、C1815に交換しましたが、症状に変化なし。
C945を調べるとhFEは200を超えており、不良とは思われません。
次にICを中華製と交換しました(中華製電動真空ハンダ吸い取り器がまたしても大活躍!)が、依然として症状に変化なし(写真2,3,4)。
しかしモノラル・モードではちゃんと受信するので、この中華製IC(ロゴマークは日立)はちゃんとした素子です。取り替えた古い素子も生きていたわけです。
もう一度エミッタフォロワー回路を疑いました。
モノでもステレオでもコレクタには信号が来ていますが、ステレオモードにしたときだけエミッタに出て来ません。
間違いなくベースにつながっている回路の不具合。しかし基板上でトレースしましたが、原因がどうしても突き止めれません。
やけっぱちで、コレクタとエミッタ間をコンデンサ(223)でバイパスしてしまえと思い、やってみたら、当たり前ですが受信できます。
しかも、左右にちゃんと分離されています!
ステレオインジケーターも点灯します!
モノラルモードが効かなくなるかと思いましたが、これもなし(効かなくても問題なかったのだが)。
インチキな修理かもしれませんが、すべての機能に問題ないので、レストア完了としました。やれやれ・・・
VHX

【DSCN5951.jpg : 268.8KB】

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